京都市街地の周りをぐるっと半周する、定番トレイル。 よく整備されており、道標もしっかりしていているので初心者でも走りやすい。 伏見稲荷や比叡山延暦寺など歴史的なスポットを通過する京都ならではのトレイルが楽しめる。
京都市の周りの山々をつないだ約70kmのコース。いくつかのロード区間があるので、自動販売機も多くあり、途中でコンビニにも寄ることができる。分岐に道標も設置してあり、はじめてでも分かりやすい。

どちらからでも回ることができるが、本コースでは伏見稲荷からJR嵐山駅までのルートを紹介する。京都一周トレイルの東山コースから北山コースを経て、西山コースへつなぐ。
スタートは伏見稲荷大社。交通の便がよく、JR・京阪電車ともにアクセスが可能。いずれの駅からも近い。いくつもの鳥居をくぐり、稲荷山へ進む。観光客も大勢いるので、配慮して進もう。 海外からの旅行者にも人気のこのスポットだが、この先にトレイルがつながっていることはあまり知られていない。登り切ると、京都市内の眺望が開ける。

稲荷山を降り、阿弥陀ヶ峰の南のトレイルを経て、次に登るは清水山だ。トレイル上からは見えないが、清水寺の裏側を通る。さらに奥の将軍塚へ。ここで京都市街を一望する事ができる。
将軍塚とは、8世紀末に桓武天皇が平安京造営に際してその鎮護のため、高さ8尺(約2.5m)の土人形に甲冑を着せた「将軍像」を埋めた塚を造ったとされる場所だ。

そして、次に待ち構えているのは、大文字山。木の根っこが豪快に邪魔をするトレイルを登って行こう。また、ここは市営地下鉄東西線の蹴上駅が近いので、ショートカットやエスケープ場所として利用できる。

大文字山の山頂を過ぎ、しばらく行くと突如として景色が開ける。その眺望は本コース一番と言っていいだろう。
ここは毎年8月16日に行われる五山の送り火(ござんのおくりび)で有名な『大』の文字が点火される火床だ。眺望が素晴らしく、手ごろに登れることから地元の人にも人気のスポット。本来の京都一周のコースとは外れるが、ここでは火床を通るルートとした。

大文字山からは銀閣寺の脇に降りてくる。いったんロード部分を経て、再び比叡山方面のトレイルに入る。ここから本コース最高峰の比叡山山頂付近まで、上り基調のトレイルが続く。比叡山インターナショナルトレイルランのコースに合流し、どんどん標高を上げていく。

登り切ると比叡山延暦寺に入る。延暦寺は平安時代初期の僧・最澄(767年 - 822年)により開かれた日本天台宗の本山寺院で、比叡山全域を境内としている。「12年籠山行」「千日回峯行(せんにちかいほうぎょう)」などの厳しい修行が現代まで続けられており、日本仏教の代表的な聖地である。境内内は無理に走らず、参拝者に気をつけて進もう。

延暦寺西塔を過ぎ、比叡山ドライブウェイと並走するトレイルを進むと、玉体杉にたどり着く。ここから京都の街並みが一望でき、遥か遠く大阪のビル群まで見ることができる。
山中を1日48km、年間およそ120日、9年の歳月をかけ、1000日間歩き続けるという、「千日回峰行」の巡拝場所で、行者が加持を行う場所として、唯一腰をおろすことが許されるポイントとされている。1300年前より修行僧をはじめ、多くの人々が通った道だと思えば、感慨深いものがある。

玉体杉を過ぎると、横高山・水井山といった急登の山々が待っている。本来このあたりは、見晴らしのない山林だったが、近年の大型台風で大規模な倒木被害を受け、復興作業のため林道が開かれた。その影響で、水井山では今までは見えなかった琵琶湖までの眺望を得られるようになった。

水井山のくだりを終え、仰木峠の先のボーイスカウト道を降りてくると、大原に出る。先にある、国道367号線の道沿いに『味工房志野』があり、おはぎやお寿司、時期によって赤ちそドリンクなどを補給できるポイントだ。ここは多くの買い物客でにぎわい、トレイルランナーの憩いの場所にもなっている。

大原からは、のどかな里山の雰囲気を楽しむ。ロードとトレイルを挟みながら進み、江文峠を越えると静原地区に入る。

静原地区とこの先の鞍馬を結ぶ峠道は、「薬王坂(やっこうざか)」と呼ばれている。比叡山延暦寺と鞍馬寺を最短距離で結び、それぞれの僧侶が行き交う道であった。 平安時代初期に伝教大師最澄が、鞍馬で薬王如来の像を造って比叡山へ帰る途中に、この坂で目の前に薬王が姿を現したという伝説が残っている。

薬王坂をくだると、鞍馬地区にでる。ここまで約40km。エスケープ、もしくはショートカットコースとして、叡山電車の鞍馬駅から、京都市街地方面に戻る事もできる。
鞍馬駅からはロードを二ノ瀬駅方面へ進み、再びトレイルに入る。夜鳴峠を経て向山へ。少しガレた斜面を降りると、そこから氷室地区までの長い登りが待っている。
氷室地区からはロードとトレイルの登りくだりを繰り返し、沢ノ池へ。江戸時代末期に造られたと言われる、人工のため池だ。天気が良ければエメラルドグリーンに輝く姿をみることができる。北山杉が立ち並ぶこの池は、近場で秘境感が楽しめると、近年は多くのキャンパーで賑わう場所となっている。

沢ノ池から最後のロード部分まではくだり基調のルートとなる。 この先は走りやすいトレイルを経て、舗装路林道を1.5kmほど降り、国道162号に出る。道を渡り、川の方に降りれば、自販機もあり、食事もできる『指月亭(しげつてい)』がある。

ここからは川沿いのゆるやかな起伏のトレイルで、気持ちよく走ることができる。

その先は次第にゴツゴツした岩のトレイルが多くなる。岩の上は滑りやすいので注意が必要だ。川沿いのトレイルは清滝地区を通り、さらにその奥の落合橋まで続く。

落合橋からは4kmほどの六丁峠への登りが待っている。保津峡のすばらしい景色を眺めながら、ロードで標高を上げていく。

峠を越える嵯峨鳥居本(さがとりいもと)地区に降りてくる。嵐山嵯峨野の最北部に位置し、愛宕神社の門前町として発展した地区で、瓦屋根の民家や茅葺屋根の農家が残る。ここまでくるとゴールのJR嵯峨嵐山駅までもうすぐだ。

京都一周トレイルは市街地からアクセスしやすく、気軽に山に入ることができる。区間ごとの地図が販売されており、個別に購入が可能。まずは手ごろな区間から走ってみるのもお勧めだ。 季節によって様々な風景が楽しめるので、何度か通って自分のお気に入りのエリアを見つけてみてはいかがだろうか。
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English version is available.
英語版があります。
日本語版があります。
Japanese version is available.
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